西中国教区宣教基本方針・方策
宣教基本方針並びに宣教基本方策の設定に至る経過
西中国教区はおおよそこの四半世紀、「体質改善」と「伝道圏伝道」を柱とする「教団宣教基本方策」(1961年)に立ち、更にいわゆる「戦責告白」(1967年)によって教区の宣教の「基本姿勢」8「課題と方向性」)を確認しつつ歩んできた。
また教区の「機構改正」(1969年)に際し「教区幹事制」を導入したが(1970年)、それは国家社会の中に生きる人間の生活のあらゆる領域に向けて、教区としての積極的な宣教の態度を整えようとするものであった。その後の教区の宣教活動についての評価、展望などは、1972年以降の教区総会において審議されるようになった「教区総会議長総括報告」に見る通りであるが、1967年以来取り組んできた「清鈴園運動」はその一例である。
更に1972年以降提出されている「教会活動総括報告」は、当教区にあって宣教活動を共に担う各個教会(教会・伝道所)の喜びと苦しみとを互いに受け止めようとする連帯への試みの一つである。
このような歩みの中で1984年、「開拓伝道資金募金に関する件」が教区総会に上程され、その審議の過程で「開拓伝道は、教区の宣教活動の中にどのように位置づけられるか」が議論の焦点となった。またこのことに関連して「教区の宣教基本方針とはどのようなものであるか」が改めて問われたのである。
以来4年に亘り、この問題について教会総会、宣教委員会等を場として論議が重ねられてきたが、この経緯を踏まえて1988年常置委員会により宣教基本方針作成委員会が招集され、「宣教基本方針並びに宣教基本方策」案を作成した。この案は1989年度教区総会に上程されたが、審議の結果不成立に終わった。その後、教区」総会等の意見を入れ手直しをした上で、1990年度教区総会において成立に至る。
祈 り
主よ、私たち西中国教区の諸教会のキリスト者たちは、福音を宣べ伝えるため、今心を新たにしてあなたの前に立っています。
どうか、私たちが心を一つにし、今の時代の流れに抗して、大胆に生きることができるよう、力をお与えください。
様々な重荷を負う人々、また平和と自由と正義の実現を期して働き労する人々と、主が共にいましてください。
御名によって祈ります。
西中国教区宣教基本方針
1.主イエス・キリストの恵みによって救われたわたしたちは、神を賛美し、この福音を宣べ伝えつつ、その招きに応えて生きる。
2.わたしたちは、様々な重荷を負う人々との出会いを通して、つくり変えられ、世の諸々の力の支配から解放されてその人々と共に生きる。
3.わたしたちは、主イエス・キリストの恵みに押し出され、悪の諸力の抗し、平和と自由と正義の実現を期して共に闘いながら生きる。
解 説
1.主イエス・キリストによる救いへの招きは、同時に主イエス・キリストに従うことへの招きであることを意味しています。
2.「様々な重荷」とは、死、病い、不安、不信、争い、貧しさ、差別、抑圧など。このような重荷を共に担って生きるところに教会の生命と革新が存在します。
3.この世界に神の国(支配)が到来することを祈り求めつつ、この世界の状況(歴史)の責任をもって生きること、とりわけ今日の状況下、この国にあって、国家権力が神ならざる者を神とすることをわたしたちが拒否し、主を主として生きるよう求められています。
西中国教区宣教基本方策
1.教区にある教会の連帯を強化していくために、自立連帯献金、開拓伝道資金献金、教師謝儀互助の充実をはかる。また、分区活動、教区幹事の牧会的活動によって、きめこまかな宣教の協力体制を築いていく。
2.教区の諸教会において、教会員の高齢化が進んでいることを真剣に受けとめ、この問題を教区の課題として取り組む。更に青年及び子供たちが直面している問題を共に担うことができる教会となることを目指していく。
3.1989年私たちは天皇代替わりを経験した。この時にあたって主権在民と矛盾し、信教の自由と人権を犯す危険をはらむ天皇制問題に積極的に関わっていく。
4.アジア諸国における経済侵略、外国人労働者、民族差別などの問題を日本の教会の責任として取り組んでいく。
5.地球規模で発生し、急速に増大している自然の生態系の破壊の問題を認識し、原発問題についても問いを発していく。
6.ヒロシマを持つ教区として、加害・被害の視点から反核、反戦、ヒバクシャ救援に取り組む。清鈴園運動の目的を確認しつつ、更にこの運動を継続する。
7.教区内にある「亀の里アパート」の運動を支援しつつ、「-障害者と教会-問題を考える集い」(広島)、「障害者問題を考える集い」(山口)の輪を拡げていく。
8.被差別部落の人々、在日韓国・朝鮮人、沖縄民衆、アイヌ民族などの上に起こっている人権の抑圧や侵害の問題に取り組み、差別撤廃の運動を進めていく。広島キリスト教社会館の活動を支援していく。
9.性差別の問題への関心を呼び起こしていく。
10.宣教の視点から、教区の機構のあり方を検討していく。