| 「レント」について
宇佐美 節子(神辺教会牧師)
一年間の歩みの中で、イエス・キリストの十字架の意味をテーマにして礼拝を守る特別の期間があります。それはいろいろな呼び方で呼ばれていますが、ある教会では「復活前節」(復活祭の前の期節)、また他の教派では「四旬節」(四十日間という意味)、また「大斎節」。いろいろな呼び方がある中で、内容的に一番わかりやすい呼び方は「受難節」です。「キリストが苦難を受けたことを思い起こして礼拝を守る期節」という言い方が一般化しています。
しかし日本語でも教派によっていろいろな呼び方があるので、今では「レント」(本来は単に「春」という意味)という呼び方で、お互いに理解し合えるような場合が多くなってきています。
「十字架を背負って」キリストの苦しみと十字架の死を記念する期節は、日曜日を含んで46日間、日曜日を別にすると40日間です。2006年は、3月1日が「灰の水曜日」となり、これから復活祭(4月16日)の前の日まで、日曜日を除く40日のレントに入ります。
灰というのは、一つは人間が最後は灰(死)になるということ、さらにはその懺悔や悲しみの象徴として灰が出てきます。それで灰の水曜日には、深い悔い改めや悲しみを表現する灰でしるしを付けます。さらに神の前で真剣に祈り、懺悔や悲しみの訴えをする時、長い時間をかけて祈り続けると、祈っている人の頭や肩に塵が降り積もるほどであったという理解があって、従って深い真剣な懺悔を表すために、塵ないしは灰をかぶって祈るというような風習も一部にはあったといわれています。
レントの意味は、キリストが十字架の死に向かって、これからの歩みをどのように進めていくかということを考える日々ですが、その内容はいくつかあります。まず、この40日間は、教会の生活、信徒の生活としては基本的には断食の期節という実践がありました。しかしそれは自分の信仰を断食によって修練するとか、克己するというよりも、キリストの苦しみに連なって、わたしたちに何ができるのかということを考える、いわば奉仕、宣教というような意味づけがされなければならないといわれています。共に、良い心備えができますように祈ります。
|