| 母の日(Mother's
day)って、いつから、どんな風に始まったの?
沖村裕史(三原教会牧師)
毎年、五月になると美しいカーネーションが街角にあふれます。第二日曜の「母の日」に、わたしたちをいつもいつくしみ、見守り、愛してくださっている母に、感謝を込めてカーネーションをプレゼントするためです。
ところで、この「母の日」が、キリスト教会の大切な行事として始まったものだということをご存知でしたか。今月は、この「母の日」の由来についてご紹介したいと思います。
「母の日」は、伝統的な教会暦として定められた祝日ではなく、比較的最近、キリスト教的な生活の中から生まれた「教会行事」です。
アメリカのウェストヴァージニア州のある町の教会で始まったといわれていますが、歴史の浅いわりには、資料の混乱があり、その町がグラフトンだったのか、ウェブスターだったのか、二説あります。それどころか、実はペンシルベニア州のフィラデルフィアだったとも伝えられています。
その町の小さなメソジスト教会(日本で言えば、青山学院や関西学院に関係するキリスト教の一教派)で40年近くも日曜学校(教会学校・子どもの礼拝とも言います)教師をしていたクレア・ジャーヴィスという老婦人が1905年5月9日に亡くなりました。その娘アンナ・ジャーヴイスは、敬愛していた母の記念として、毎年その日に近い日曜日の礼拝にカーネーションを献げるようになりました。日曜学校で「父と母とを敬いなさい」という十戒を語った母の想い出がよみがえったと言います。この一教会の行事がやがて多くの人々の心を打ち、百貨店(デパート)という販売法を考案した実業家であり、日曜学校運動の推進者でもあったジョン・ワナメーカーの提案で、1914年ウイルソン大統領がこれをアメリカの祝日に制定しました。
日曜学校運動と共に世界に広まったこの日は、かなり早く、1920年頃までには日本の教会でも行われるようになりました。これが社会一般でも認められるようになったのは、第二次大戦後のことです。かつては、この日、胸につけるカーネーションは、母親が健在の場合には赤い花、すでに亡くなった場合には白い花とされていましたが、今ではこの区別を不適当として、一様に赤、またはピンクにしています。
このような趣旨からすれば、「母の日」は、「お母さん、ありがとう」の日ではなく、「神さま、大切なお母さんをありがとう」という日だということになるかもしれませんね。
今年、あなたはどんなカーネーションをお母様にプレゼントされますか。
今橋朗著『よくわかるキリスト教の暦』(キリスト教新聞社,80-82p.)より抜粋 |