| 「受難週」について
本竜 晋(福山東教会牧師)
キリスト教の最大のお祭りは、クリスマスではなく、イースターです。歴史的に見ますと、クリスマスが広く守られたのは4世紀の中頃で、一番古い記録では354年にローマで行われたものが残っています。イースターの場合、キリスト者が「主日」と呼んだ日曜日に礼拝を守るようになった1世紀半ば頃から守られていたと言われています。
キリスト教の祭りの特徴は、クリスマスもイースターも前後を併せて幾つもの宗教的行事が行われます。イースターの場合、レントという40日もの準備期間があるのですが、そのクライマックスとして受難週があります。この週の金曜日にイエスが十字架につけられたので、その直前の数日間のイエスの足跡を憶えて、いろいろな行事を行います。
棕櫚の主日
主イエスがエルサレムに入場された日。イエスはろばの子に乗って入場されました。人々は自分たちの上着を道に敷き、また、棕櫚の枝を敷いたり、手に持って振ったりしながら「ダビデの子、ホサナ。主の御名によって来られる方に」と歌い、イエスを大歓迎しました。
宮清めの日(月曜日)
エルサレム入城されたイエスが見たものは、商売をする人達の屋台で混雑していた神殿でした。イエスは縄の鞭をふるって彼らを追放し、「神殿は強盗の巣ではなく、祈りの家であるべきだ」と言われました。また、道すがら、実がなっていないイチジクの木を呪った日でもあります。
教えと論争の日(火曜日)
神殿で、祭司長や学者、ファリサイ派、サドカイ派、ヘロデ党議員など、敵対する人達から、次々と論争をしかけられた日です。権威問答、税金問答、再婚問答、復活論争、最重要律法論など次々と展開されましたが、だれもイエスを言い負かすことはできませんでした。「大勢の群衆は、喜んでイエスに耳を傾けていた」と記録されています。
ベタニヤの日(香油の日、水曜日)
エルサレム郊外のベタニヤで、イエスが過ごされた日です。宴席の中で、一人の女性が石膏の壺を割って香油をイエスに注ぎかけました。
洗足木曜日
この日は「過越の祭り」でした。イスラエル人がエジプトで奴隷状態から解放されたことを記念する日です。この日を記念し、イエスも弟子たちと過越の食事をされました。これが、後に「最後の晩餐」と呼ばれるもので、それを記念して、盃に注がれた葡萄酒を飲み、一切れのパンにあずかる儀式「聖餐式」が、全世界で守られるようになりました。
この日、イエスが弟子たちの足を洗われたという記事から、洗足木曜日と呼ばれるようになりました。この日、祈祷会を行い、聖餐式を持つ教会もあります。
受難日(金曜日)
イエスが十字架につけられた日です。逮捕、嘲笑、たらい回し、茨の冠、死刑判決、涙の道の行進、十字架上の7つの言葉。様々な出来事が聖書に書かれてあります。この日、夕方に受難日礼拝を持つ教会もあります。
暗黒の土曜日
イエスの死を覚え、この日の教会の祭壇や十字架は、黒い布で覆われます。
この日、特別行事を出来る限り行わず、次の日のイースターまで沈黙のうちに過ごす伝統があります。
この受難週。今年は3月16日から始まります。イエスの十字架へと歩まれた日々の出来事をしのび、それぞれ自分にできることで、十字架の出来事と自分の関係を実感して下さい。 |