4月のメッセージ 「新しい旅立ち」

石塚 一(福山延広教会牧師)

 4月は「旅立ち」の季節です。新学期、新年度、新しい学校、新しい仕事…多くの人が新しい生活へと歩みだしてゆきます。けれどもまた、同じくらい多くの人が〜いやこちらのほうが多いかもしれません〜人生に希望や意欲を失って、何の新しさもない惰性的な毎日を送っています。
  そういう人は言います。もう歳だから、今更、何をやっても仕方ない。私には持病がある、何もできるはずがない。中学校の勉強でつまずいてしまって、もう手遅れだ。等々。
 本当にそうなのでしょうか。
 聖書に、アブラム(後のアブラハム)という人の旅立ちの話があります。彼は75歳、妻のサラは65歳。二人して、長年、住み慣れたハランという村で、何不自由のない豊かな生活を営んでいました。一族の長として地位も名誉も財産もありました。
 ところが、アブラムは、神の声を聞きます。
 「生まれ故郷を捨てて、私が示す土地に行け。その地で、私はお前を祝福し、世界中の人々の祝福の源とする」。
 これは、とんでもない冒険の勧めです。今まで築いてきたものを全て置いて、いずことも定かならぬ神示す土地に旅立て、というのですから。しかし、アブラムはその神の言葉に賭けました。ほとんど放浪に近い旅を始めるのです。
 そして、幾多の辛酸をなめながら、行き着いた結末は…?
 彼が大きな国の主になったとか、億万長者になったとか、というのなら月並みなサクセス・ストーリーですが、実際にはこの旅の結果、彼らに与えられたものは、二人が葬られるためのわずかばかりの土地だけでありました。
 いったいアブラムをこんな割の合わない旅へと突き動かした「神」とは何でしょう。どうして分別盛りの二人の老人が、それまでの平穏な生活の全てと引き換えに、新しい旅立ちを決意するにいたったのでしょう。いったい彼らは、それで幸福だったのでしょうか。
 その答えは、これからこのコーナーで語られる聖書のお話の中に出てくるかも知れません。それで不十分だと思われたら、ご自身で聖書を読んでいただくほかはありません。ただ前以て〜そして、確信を持って〜言えることは、かれらは決して後悔していなかったし、又、彼らの人生もハランでの日々の何倍も充実したものになった、ということです。
 あなたも聖書の中に、あなたに呼びかける神の言葉を捜してみませんか。そして、新しい旅立ち、始めませんか。


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